ここにある「石」は、紙や土で作られた軽やかな石。
浜辺で拾った青い石、夏の川辺で拾った丸い石、縞模様のおしゃれ石。
石の浜辺を歩く時、美しい抽象画が転がってるように思えます。
石拾いをするように、あなたにとっての、あかるい石を見つけてください。
期間
2022年9月3日(土)〜9月25日(日)
営業時間
13時〜19時 不定休
※おやすみは前月10日前後にお知らせいたします。
photo:Hide Watanabe
海辺を歩きながら、石を拾う。
その形や、色彩、感触、波音も含めて手のひらに収めては、
元の浜辺に戻して、また拾い上げる。
石の中にはいくつもの現象があり色彩は一定のようでいて
密かに揺らいでいて、そこには美しい抽象画が描かれている。
見飽きることのない世界が石の中にはどこまでも広がっている。
私はそれを描けたらと願う。
ここにある「石」は、紙から生まれた軽やかな石。
紙からできた、本物と見紛うこの「石」は重さと質感、
存在感を持ち、鑑賞者の認識を揺さぶります。
紙の上で色彩は混ざり、滲み、揺らぎ、ひび割れを起こしながら、
石の肌理や表情が現れ始める。
墨や絵の具を重ね偶然性を引き出していく、
この過程は石が石になるまでの道のりををなぞり記録しているような行為です。
紙の中に私の意図とそれを超えた現象が共存し始めます。
人工物である「紙」で、自然物の「石」をつくりだそうとすることは、
自然物・現象の秩序に対する憧れと、それに対峙しようとする誠意です。